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「みずほ銀行なんて絶対使わない!」と
2002年の俺は叫んだ
そう、システムトラブルがあり、それで苦労している人の思いを
想像してしまったからだ
そして、ときは流れ、2020年
みずほ銀行のサグラダ・ファミリアは完成した
そしてこの本が出版される
「みずほ銀行、システム統合、苦闘の19年史」
目次
最初に
この本は読もうか読むまいか悩んでいた
予防型PMOを標榜する限り読む必要がある
でも、2002年の自分の思いに引きずられ
目次をみるのみでとどめていた
その後、BacklogWorld参加者間での出会いがあり
その方(谷島さん)も書いた本なら読んでみようと考えが変わった
そして、熟読
本の構成
現在から過去への流れで書かれています
完成→2011年→2002年です
未来を見据えた本なので、
完成した結果としてこの先どうできるか
ということを多めに書かれています
ここからは概要を、
詳細は読んでください
完成までの話(2011年〜2019年)
やっと過去のしがらみからの決別
密結合のシステムから疎結合(SOA)へ
システム構築として改善策
・今と同じという要件はダメ
・データフローを整理
・コードは自動生成(属人化の排除)
・オペレーション習得も時間をかけて
・難しいものからデータ移行を開始
管理面として改善策
・グループ全体で管理できるような体制へ
・横断的管理
・意味のある進捗管理(中身に踏み込む)
そして、3割のコスト削減から、戦略的投資へ
人が育った。前にすすめる
震災直後の大規模障害(2011年)
1980年代を引きずったままのシステム
システムの制約条件を誰も理解していなかった
情報が行き渡らず、みんなが必要と思うことを
やってしまったことで
複合したトラブルが多発
再発防止策を1年かけて作成
合併直後の大規模障害(2000年〜2002年)
現場任せ
自分がプロではないと逃げる権力者たち
3社およびそれに関わる各社の綱引きのみで、統合へ
頑張れ、わかりましたが「できます」に変わる
うまくいくはずがない
感想と私の思い
この本は
苦労を共有し同様な悩みを持っている組織へ
展開するためのもの
みずほ銀行は19年かかりました
といいつつも、
体制を変えるために12年
システム構築で7年
体制を変えるほうが時間がかかるということ
まさにコンウェイの法則そのもの
体制を一新するためにこれだけ時間がかかる
でも、それがスタート
一新すれば、確実に進む
同じような悩みの組織もあると思う
この本と自分のおかれている現実を比較し、
何から取り組めばいいか
ヒントがたくさんある
それ以上に問題なのは、
今のままで良い考えている組織
それこそ失われた20年
今後もっと失われていく
普通にサイロ化されている業務や
社内政治・出世時のつぶしあいが多数
今に適用した組織体制に変えていくにはどうすればいいのか
今に適用した仕組みづくりはどうすればいいのか
それを考えるための重要な本
システム化するときは叡智を集結するが
それが当たり前になると、システムに寄せられ
なぜそうなっているか考えなくなる
定期的な見直しが必須である
最後に
2011年以降のメンバーについては、記載がありましたが
その前の、体制がボロボロだった時期の関係者についてはほとんど記載がありませんでした
体を病み、心を病み、そして命までも・・・と想像しています
その苦労が、今回の完成で報われればよいのですが